
高齢だった父親が亡くなり、遺産分割についてトラブルが起きているとの相談をいただきました。
Y様には遠方に暮らす兄が一人おり、これまではお互いに尊重し合える関係を築いてきたといいます。
しかし、いざ具体的な財産の開示や手続きの話になると、実家の近くに住む兄は「自分がすべての面倒を見てきた」「お前には関係ない」と頑なな態度を取るようになりました。
そればかりか、父親の生前の預金口座から、用途の分からないまとまったお金が何度も引き出されている形跡が見つかったのです。
兄にそれとなく使い道を尋ねても、「必要な経費だった」と話をそらされるばかりで、通帳や領収書を見せてくれる気配はありませんでした。
遺産分割に向けた事実確認と使い込みの可視化
身内であるがゆえに、一度不信感が芽生えると
「他にも何か隠しているのではないか」と勘ぐってしまい、対話の席につくことすら難しくなります。
Y様が求めていたのは、感情的な非難合戦ではなく、
兄が独占している「実家の財産の正しい全貌」を知ることでした。
そこで、専門的な視点を交えながら、父親の生前の口座から
いつ、どこで、いくらのお金が引き出されていたのか、
過去の出入金記録と兄の行動や請求の事実を突き合わせるアプローチをとりました。
その結果、兄が主張していた「必要な経費」とは到底言えない、
私的な使い込みの明確な足跡が数字として浮かび上がってきたのです。
言い逃れのできない客観的なデータとしてお金の行き先が可視化されたことで、
それまで高圧的だった兄の態度も一変せざるを得なくなりました。
遺産分割協議を公平に進めるために
明確になった使い込みの事実を基に、本来Y様が受け取るべき正当な遺産分与の割合を算出し、
公平な遺産分割をする話し合いに持ち込むことができました。
Y様は、裁判に持ち込むことなく、解決できたことがなによりだったと安堵されていました。
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